今回は1994アメリカ大会におけるサウジアラビアの戦い第2弾です!
グループリーグ第3戦のベルギー戦と決勝トーナメント1回戦のスウェーデン戦についてです。
グループリーグの第1戦・第2戦についてはこちらの記事をご覧ください。
サウジアラビアvsベルギー
1勝1敗で迎えた3戦目の相手はベルギー。
ベルギーはモロッコとオランダに勝利し、すでに決勝トーナメント進出を決めています。サウジアラビアは引き分け以上決勝トーナメント進出が決まります。
開始5分に突然ゴールが生まれます。
オワイランが自陣でボールを受けるとそのままドリブルを開始。
ベルギーDFを次々と抜き去り、60メートルを独走してそのままゴールを決めます!
マラドーナを彷彿とさせるこのゴールに観客が沸いた。
衝撃的なゴールでサウジアラビア先制!!
しかし、試合はベルギーが主導権を握ります。
何度も訪れる決定機をシュートミス、そしてサウジの堅い守備、デアイエのファインセーブによって得点を奪えません。
サウジはモハメドやオワイランも絡み、時折カウンターから決定的なチャンスをいくつか作ります。
今大会全試合に出場したアル・ビシ。この日も精力的にプレーした。
前半はそのまま終了。
47分。後半から投入されたムワリドが緩急をつけたドリブルで4人を抜きます!
ベルギーは後半からさらにプレスを強めてきます。
相変わらずベルギーペースでサウジアラビアはデアイエがファインセーブを連発します。
そして暑さも影響し、中盤がどんどん間延びします。
65分過ぎからはベルギーがさらに前がかりになり、サウジのDFもさらに下がったため、中盤が空き、打ち合いまでいきませんが、サウジにとってもカウンターがしやすい状態になります・・
82分にはベルギーのクロスをサウジDFがヘディングでクリア。そのボールを受けたファラタが俊足を生かしそのままキーパーと一対一に!
しかし、シュートは浮かせすぎて外れる。
その直後にベルギーも決定機を作るも外してしまう。
84分にはサウジが怒涛の攻めからビシが決定的なシュートを放つもゴールできず!
限界を通り越した戦いになってきます。
ベルギーはクロスを放り込むなどして攻めまくるが決められない・・。
どんどん時間が迫る中、サウジアラビアは明らかな時間稼ぎもおこないます(笑)。
アメリカ大会でデアイエの能力の高さを知らしめた。
ベルギーは攻めが単調でとうとう最後までゴールできずに試合終了。
サウジアラビア1-0ベルギー
1994.6.29(ワシントン.D.C)
5’ オワイラン
この大波乱によりサウジアラビアがグループFの2位に浮上し、決勝トーナメント進出を決めます!
アジア勢としては実に28年ぶりの快挙でした!
一方のベルギーはこのまさかの敗戦により3位に転落し、決勝トーナメント1回戦でドイツと戦う羽目になります・・。
サウジアラビアvsスウェーデン
対戦相手のスウェーデンはグループリーグでカメルーンとブラジルに引き分け、ロシアに勝利し、グループ2位で決勝トーナメント進出を決めています。
サウジは開始早々から積極的なプレスをかけ、スピードのあるファラタやジャバー(ジャベル)がゴールに迫る。
しかし、6分にK・アンデションのクロスにダーリンが合わせて先制される。
その後はお互いにプレーの精彩を欠き、フィニッシュまでいけない展開が続く。
33度という気温が前半から選手の体力を奪っていった。
23分。右サイドをファラタがスピードで突破し、DFも振り切りPA内に侵入する。
マイナスのクロスにビシがシュートを打つもわずかに外れる。
41分にはアミンのクロスがビシの前にこぼれ、フリーになるもトラップミスでシュート打てず・・
前半は互角の展開ながらスウェーデンの1点リードで終了する。
そして後半、またしても早い時間に失点してしまう。
5分にK・アンデションに決められる。
前半と比べるとお互いにシュートまでいける展開になる。
サウジは21分にゴール前でFKを獲得する。
ムワリドのシュートはゴール隅に飛ぶものの相手GKラベリのナイスセーブに阻まれる。
そしてそのCKからファラタがヘディングをするもDFが頭で辛うじてクリアし、ゴールならず。
サウジは中央突破を何度も試みるもDFに跳ね返され、苦し紛れのミドルシュートが目立つ。また、スウェーデンの選手がサイドでボールを持っても、サウジの選手は全くプレスに行かないため、フリーでクロスを上げられるようなシーンもあった。
そして39分。直前にも惜しいシュートを放っていた途中出場の7番アル・ゲシェイアンが飛び出しから素晴らしい切り返しでDFを置き去りにし、ゴール上へ突き刺す!
ようやく1点を返したサウジ。
しかし・・その直後に再びK・アンデションに決められる。
サウジの戦いは終わった・・
サウジアラビア1-3スウェーデン
1994.7.3(デトロイト)
6’ ダーリン
51’ K・アンデルソン
85’ アルゲシェイアン
88’ K・アンデルソン
スウェーデンはこの後の準々決勝でルーマニアと対戦し、接戦を制してベスト4へ進出します。
準決勝でブラジルに敗れるものの3位決定戦でブルガリアを破り、3位となりました。
サウジアラビアの快進撃は、世界中のサッカーファンに衝撃を与え、アジアのレベルも上がってきていることを証明しました!
オランダに惜しくも敗れ、モロッコとベルギーに勝利した要因にはもちろん「運」や「環境」もあったと思います。しかし、間違えなくサウジアラビア代表には実力もあり、戦術も徹底されていました。
その後もアジアの強豪国として2006年まで4大会連続でワールドカップに出場しましたが、決勝トーナメントに進出したのはこの1994年のみであり、成績は低迷していきました。
2002年の日韓ワールドカップではドイツに8対0で敗れるという悲劇も味わいました。
詳しくはこちらの記事で紹介しています。
残念ながら、2010、2014はアジア予選で敗退しました。
しかし、現在のサウジは好調です!
2018年ロシアワールドカップでは久しぶりにサウジの姿を見たいですね!
おしまい。